8月27日(土)
秋?〜元宮庭球場〜
前日の晩からエアコンは切り、涼しげな夜気にあたる。朝になってもそのまま漂う涼しさは正午のまぶしい陽の中にさえ残り、ベンチを吹き抜ける風の涼感となって火照った肌を優しく撫でていく。
いきなり秋。
しみじみと秋、という風情を台無しにするほど、晩夏を飛び越えた狼藉。
ただ、運動にはこれほど最適な気候もない。先週までとは打って変わったからっとした大気。心なしか雲の形さえ変わっている。
今日は久しぶりに坂本ご夫妻も参加。お元気そうで何よりだった。
いち早くゲームを開始した活発なシニア勢を眺めながら今日も元気をもらう。
8月20日(土)
多湿〜元宮庭球場〜
雨降らず、多湿。身体の奥深くまで染み入ってくる空気中の熱気やら地上からの蒸気やらコートを取り囲む草いきれやらで肌は泡立ち膝から足首へとさらに伝ってくる汗の感触がとてつもなく不快。と同時に、、これも夏。不快な汗でも賑やかな祭りでも、それが終ろうとするときにせりあがってくるこの侘しさは何なのか。
今日は雨の代わりに、竹内一家が登場。竹内君もさやかちゃんも変わりなく、子どもたちは健やかに大きくなっていた。あれこれと近況を報告するよりも、直接顔を突き合わせることで安心できる何かがある。癒される一家である。
そんなこんなで、不快な汗の感触と二十分の一の確率でほとばしるスイートスポットの突き抜けるような打感との間を行ったり来たりしながら球を追い続けると頭はもうろうとしてくる。
めまいを感じ始めた頭を冷やそうと一旦コートの外に出て風がよく通る木陰で井上さんと涼みながら少年野球を見ていると、ノックを受けていたレフトの少年が苦しそうに蹲った姿におののいたが、すぐさま駆けつけた指導者の姿に安堵し四つん這いの背中を声をかけながらさする様子を木陰から眺める。
「大丈夫か?大丈夫か?頑張れ!」
頑張れ?
結局、ふらふらになりながらもみんな無事でコートを後にし、帰りがけに見た少年も快復した様子で仲間にからかわれている様子に陰ながら安堵。それにしても、頑張れ?不可思議な光景を面白おかしく高本君に話しながら、今日もひとまず写真をとれたことにしてやったり。
 
8月6日(土)
猛暑〜元宮庭球場〜
たぶん11時くらいまでは雨が降っていて、地面を打つ雨脚は強く、降りやむ気配を微塵も見せなかった雨は突然のごとく降りやんだ。コートの表面を覆う砂は蒸れ、下から立ち上る蒸気が肌にまとわりつき、姿を現した灼熱の太陽が容赦なく肌を焼く。山の向こうから入道雲が迫りくる。夏だ。
確か前回の練習の帰り道だったか、初期の頃の話を高本君としていた。その頃は6時間活動していた。こんな猛暑の日に6時間。水を浴び、氷をかぶり、時々足をつり、時々気のいい人が差し入れてくれるアイスにみんなで顔をほころばせながら、6時間。
確か、初期の初期はそれこそ日曜・祭日までやっていた。そのモチベーションとは何だったのか。高本君に言わせると「暇だったから」。そう一言で片づけられると言い返したくもなるのだが、実際その通りだと認めてしまえばもどかしさは消える。我々は暇人。我々は持て余していた。
持て余していたのが時間なのか自分なのか(あるいは両方か)。当時は持て余していること自体が後ろめたいような気がして、さりげなく忙しいふりをして精一杯の見栄を張った。そうこうしているうちに、今日で三十何回目かの誕生日を迎える堀君も立派なおじさんに近づきつつある。
自分の中に膨大な時間が蓄積されている感覚は全くないが、身近な人の成長や年をとったという実感が自分の年齢の進捗を自覚させる。その実感を淋しく思う時もあれば、勇気をもらう時もある。今日は後者だ。そしてとりとめもないことを思い、他愛のない写真を撮る。